狂詩曲−rhapsody−

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ユウサリ地方のとある大通り。
そこには、パン屋兼武器屋、薬屋などのたくさんの店。
そして大道芸をする者などがいて、大変賑やかなところだった。

その大通りにある屋台を、一軒一軒ふらふらと冷やかしながら楽しそうに歩いている三人組があった。

「アリア!見てみて、これ」

ショーは満面の笑みで、店に売っている果物を指した。

「切ると星形みたいになるのよ!」

「ええ、美味しそうね」

まるで子供のようにはしゃぐショーに、アリアもまた楽しそうに相づちをうつ。

「もう果物は充分買いましたし、そろそろ次に行きませんか?」

ゴーシュが二人を急かすように言った。
彼の手にはたくさんの荷物があり、それは全部今度の配達の為の物だった。

「あ、そうね。三人揃うのなんて久しぶりだから、嬉しくて」

「ふふ、たまにはこういうのも良いわね」

「でしょう?」

笑いあっている二人をゴーシュが寂しそうに眺めていることを、二人は知らない。

「さあ、次はスープを買いにいきましょう」

ゴーシュは先程の寂しそうな表情を緩やかな笑顔に戻し、言った。



「ねぇねぇ、これ、可愛いでしょう?」

「あら、そうね。ふふ、私とショーでお揃いにする?」

「うん!……あー、でもお金が足りない…」

「じゃあ、今度来たとき、ね?」

「…ん。残念だなぁ」

スープの売っている店へ行く途中も、アリアとショーは話し続けていた。
相変わらずゴーシュは口をあまり開かない。



大通りと言えど、それほど長くはないので
目的の店へは、比較的早くついた。
…もっとも、ショーとアリアが度々他の店へ寄るので、少し時間がかかった気もするが。




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