進んでゆく物語

□03
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1402号室は、やはりと言うべきか
豪華な装飾がしてある部屋だった。

建物の外観からおおよその予想はできていたが、
それを実際目の当たりにすると目を見張るものがある。


豪華とは言ってもピカピカなシャンデリアがあったりするわけではなく
実用的ではあるけれどそこいらのマンションとは比べ物にならない気品、
そんな感じのものを漂わせている部屋だった。

もっと詳しく言うと楓の好みな白と茶色を基調とした少しだけ大人っぽい室内。


楓はリビングにあるテーブルに暗い青色の表紙の本が置いてあるのを見つけた。


近寄ってみる。


「さっきのメールには、ここでどうしろだなんて書いてないし…とりあえず、開いてみるか」


楓はそう呟くと、本に手を伸ばした。





その手が本に触れる寸前まで近づくと、突然本がひとりでに開いた。


「うわっ!何だよコレ…凄いな……」


思わず漏れた声は誰にも聞かれることがなくすんだらしい。

2、3秒ぼーっと見つめていると、本はあるページで開いたままになった。


読んでみると、どうやら私へのメッセージらしい。
なぜなら書き出しがこう
だったからだ。


「親愛なる悠木 楓様へ……?」

親愛なるってなんだ。私は知らんぞ、こんなびっくりサプライズをしてくれる友人なんて。

そんなことを思いながらも私はそれを読み進めていく。


「これを読んでいると言うことは、貴女は私の踏んだ通りのお人のようです。
単純で楽観的、尚且つ馬鹿しょうじ…き…

…ってなんだこれ!私の悪口じゃねーか。まあいいや、はい続きー

そんな貴女ですから、私は貴女が大変気に入ったのです。
是非とも私を楽しませていただきたい。生活は私が保証します。

―――――――
―――――
―――
―」




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