進んでゆく物語
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いくら単純な私であっても、あんな怪しいメールを鵜呑みにするわけがなかった。
しかし、私の中の好奇心がふつふつとわき出てきたので
私はとりあえず、メール文にあることは本当だという証拠を探すことにした。
少し考えてからメール文を読み返すと、
私が行かなければならないマンションの部屋の鍵が財布にあるようだった。
半信半疑で自分の財布を確認した。
小銭のところには本来の使用目的に基づき、小銭しか入っていなかった。
なんだ、ただのイタズラメールだったかとため息をついた。
しかしまだカードやお札の入っている場所は見ていない事を思い出し、もう一度財布を開く。
そこには、自分でいれた覚え、ましてや見たこともないカードがあった。
「ん……これか?」
カードを取り出して、なんとなく夕日に透かしてみると、何かの絵が浮き上がった。
これは銃か?しかも二丁。
「……んな、物騒な」
思わず、苦笑いをした。
若干眉をひそめながら無くさないようにまた財布にしまった。
このカードがあったということから、
さっきのメールはイタズラだったと言い切れなくなってしまった。
どうせ今私がどこにいるのかすら分か
らないのだから、
きっとこのままでは家に帰れはしないだろう。
私は覚悟を決めて、さっきのメールに従うことにした。
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