進んでゆく物語

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not heroine side


朝、目が覚めたときから今日は何かが起こる予感がしていた。

それが僕にとって良いことなのか、悪いことなのかは分からなかったけれど


確実に“何か”が起こる。
そんな気がしていた




いつものように学校に行っても授業は受けず、軽く校内の見回りをしてから
昼寝でもしようかと、屋上へ向かった。


今の時間なら、普通の生徒はあのつまらない授業を受けているはず。
だから、屋上には誰も居ないだろうと考えながら
一人、屋上までの階段を上り、ドアを開けた。


屋上ならではの開放感というものを感じる。
実に心地よい、と思った。

しかし、“屋上には誰も居ないだろう”という僕の予想は裏切られていた。


この学校の生徒かと思い、すぐに咬み殺そうと思った。
が、並中の制服を着ていないので部外者だということが分かった。

それならそれで、不法侵入とみなして注意…というより咬み殺そうと
僕は一歩前へ踏み出した。


途端





「―――…っ!」

ふわっと辺りに風が吹き、不法侵入者…いや、彼女の髪を靡(なび)かせた。


彼女の顔が見える。




綺麗、人間を見てそう思ったのは、彼女が初めてだった。

否、彼女を見て“綺麗”と称するのならば、
綺麗という言葉は大いに歓喜するだろうという程に彼女は輝いて見えた。




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