彼等の中心は彼女

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午後7時半、私はあの執事君の運転する車に乗ってある男の家に向かっていた。


彼ならば私の計画に喜んで乗ってくれるだろう。
いや、乗ってくれなければ困る。
もし彼の気が乗らなくても私が説得すればいい。


それに家城さんが本当に男テニのマネージャーになったのかも確かめたい。
彼女が今日マネージャーになったのならきっと明日には学校中の噂になっていることだろう。
別にそれならば学校に行けばわかるが噂が広まる前に知っておきたい。



「涼香様、そろそろ着きますよ」


目を瞑りながら考え事をしていると、執事君は寝ていると勘違いしたのか声をかけてくれた。



「ああ、」


私は短く返事をした。












執事君の言った通り、五分もしないうちにあの男の家についた。



「お待ちしておりました妃様」

車を彼の家の前に停めると、計ったようなタイミングで中から使用人らしき人が出てきた。

私は執事君に、ここまでで良いと伝えると
執事君は、ではここで待っていますねと笑って言った。

しかし長くなる可能性もあるので先に帰っていてくれと伝えた。
執事君は渋々と言った風に頷いてか
ら、お帰りの際はお電話をお願いしますと言ったので私はそうするよと返しながら車から出た。



「では妃様、お話は跡部様より伺っております、お待ちしておりました。どうぞこちらへ」


車から出て改めて使用人さんと向き合う。
使用人さんは恭(うやうや)しく礼をしながら私を家に通した。


「お願いします」

私も上品に見えるように笑みを浮かべて使用人さんについていった。




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