進んでゆく物語
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――side hit man
オレは、ヒバリに会いに並中へ来ていた。
並中の門の前まで来ると、そこにはなにか探しているのか、携帯片手にバックを漁っている女がいた。
年はツナと同じ……いや、それより一つ二つ上くらいか。
下を向いているので顔は見えない。
なんとなくその女が気になったので少し眺めていようと思った。
ヒバリと会うのはまた後、もしくは今度でも良いだろう。
オレを一瞬でそんな気にさせる“何が”がソイツにはあった。
女は目当てのものを見つけたのか、財布からなにやらカードを取り出した。
「ボンゴレの文様…だと!?」
女がそのカードを太陽に透かすと、ボンゴレの文様が浮き上がった。
オレは、女がそれを持っていることに驚いた。日本にもう一人派遣されているなんて、聞いていない。
しかし、いつまでも驚いてはいられないので念のためソイツに銃を向け、誰だと問おうとした。
その時、女は俺のその行動を待っていたかのように微量の殺気を出し、愉しげに呟いた。……いや、オレに語りかけたと言う方が正解か。
「物騒だな」
銃を向けられているにも関わらず平然としているソイツに、一般人では無い
何かを感じた。
女は顔をあげてはいるが、この位置では顔はまだ見えない。
辛うじて見える口元は、綺麗に弧を画いていた。
その姿が余りにも美しく、気高くて自分が最強のヒットマンだというこすら忘れてしまうようだった。
オレは、どうすることも出来ずにただその女を眺めていた。
(もう少し続くよhit manサイド)
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