刀剣乱舞

□君が最初
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「加州君!お帰りなさい!」



どんなに刀が増えても主は俺の目を見て出迎えてくれる。どんなにボロボロになっても頑張ったねって褒めてくれる


それに応えるように笑顔で返事をすると主も嬉しそうに笑ってくれて、その笑顔を見るのが好きだ



「主ー、最近 小狐丸ばっかり構ってない?」


「えっ?そうかな…」


「そうだよ!任務から戻って来たら主いっつも髪梳かしてるじゃんか!」


「うーん 頼まれるし、モフモフだしねぇ…だって聞いてよ加州君!」



アイツの髪の話なんてどうでもいいのに毛並みがどうとか手触りがどうとか…そんなの全然興味ない



「嬉しそうな顔しちゃってさ……」


「ん?何か言った?」


「何でもないよ」


「加州君のことも大好きですよ?」


「うっ…本当に?」


「本当に」



暢気に顔色一つ変えずに笑う。言われてるこっちが恥ずかしい…



「主といたら何か調子狂う…悪い意味じゃないけど」


「あらあら」


「あー、もう!内番行ってくる!」


「加州君」


「何?」


「昨日の戦、加州君が誉を取ったんでしょう?本当にお疲れ様でした、頑張ってくれてありがとう」


「別にそれが仕事な訳だし……っていうか知ってたんだ」


「勿論!ただ昨日は手入れ部屋に居たから言い遅れちゃって…ごめんなさい」


「いいよ、覚えててくれただけでも嬉しいし…」


「っ…本当に可愛いなキミは!ご褒美 何がいいか考えておいてね!」


「ん、分かった」



襖に手を掛けたところで立ち止まると少し後ろを振り返る。主は笑顔のまま首を傾げていた



「主はさ」


「うん」


「その……あー、いや やっぱり何でもない!行ってきます!」


「はい、行ってらっしゃい」



さっきまで怒っていたのに いつの間にやらその感情は無くて、主が言い包めるのが上手いのか それとも俺が甘いのか…



「まぁ、いいか…」



嬉しくて少し緩んだ頬を引き締め、走って馬小屋へ向かった



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