頂き物

□恋人マニュアル
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Q.何故、俺は今、ベッド→俺→光→天井の
 ポジションにおるんですか。




A.俺に押し倒されとるからです。




恋人マニュアル




15分前の俺、どんだけアホやねん。




あんな質問なんかせんかったら俺は今頃こんな状況やなかったのに……!




「なぁ、光」


「何すか」


「俺らってその……こ、恋人やん?」


「そこで吃るとか謙也さん並のヘタレやん」


「うっさいわ!ドアホ!死なすど!」


「はいはい……で?」


「で……手もつないだし、デートもした」


「ん」


「キ、キスもした……」


「そうっスね」


「でや!この次って何すればええん?」


「……は?」


「もう俺らやることなくない?」


「というと、別れるってことですか?」


「いや、それはちゃうけど……」


「ユウジ先輩は今の生活では物足りんと」


「……そ、そうなんか?」


「このゆるい恋人ライフに刺激が欲しいと」


「ん?んー?」


「……ユウジ先輩」


「おん?」


「覚悟、決めてくださいね」


「え?」




そこから光に手をひかれてやってきたのは保健医も保健委員もおらん無人の保健室やった。




「ひ、光……?」


「保健室に来たら、ヤることは1つでしょ」


「おいコラ変換がおかしなっとるぞ」


「別におかしくないっスわ」




そう言いながら、光は学ランを脱いでベッドの隅に置いた。




「………………。」


「あ、ユウジ先輩も上脱いだらどうです?」


「えっ」


「どうせ途中で脱ぐはめになるんですし」


「せ、せやけど……」


「なんなら、俺が全部脱がしたりますけど」


「余計なお世話や!」




俺は脱いだ学ランを光と同じように上に重ね置いた。




「……ほな」


「うぇ?!あ、ちょっ」




光に手をひっぱられた俺はベッドへ見事にダイブしてもうた。




小春へ。俺、今めっちゃピンチです――。




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