四天宝寺

□やっと言えた
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「お前な…ズボンのチャックやったらどないしてくれんねん……!」

「そん時は警察に突き出してやりますわ」

「血も涙もあれへん奴やな!!」


「ボタン閉めへんのですか?」

「だからお前が…!」

「俺に閉めてほしいんですか?」

「はぁぁ!?//」


「お前がって言うから閉めてほしいんかと思って」

「誰もそんなこと言ってへんやろ!//」

「じゃあ顔赤することないやないですか」

「ぅ…//」


「手動かさんといてくださいね」

「小春にもこんなことやられたことないのに…」

「あんだけ触り合っといて?それおかしくないっスか?」

「何で?」


「俺やったらユウジ先輩にちょっかい出しますけどね」

「小春はそんなことせぇへん!」

「はいはい。できましたよ」


「おん。ありがとう……って何で例言うとんねん!ほぼ襲われてるようなもんやん!」

「なんなら襲ったりましょか?」

「財前の変態!//」

「先輩に言われたらお終いやわ」


「今日の先輩何か変ちゃいます?」

「そんなことない。変なんはお前やろ」

「俺はいつも通りです」

「どこがやねん…ι」


「今日の先輩ボーッとしてる」

「小春に見惚れててん」

「分かりやすい嘘つかんでええですわ」

「嘘なんか…」


「ついてない言えます?泣きそうな顔してた
くせに」

「だから…!」

「隠さんでもええやないですか」

「…って………ろ…」

「何スか」


「言ったら引くし…」

「引きません。せやから言ってください」

「…謙也と……財前が仲良う喋ってんのが……羨ましくて…それで……」


「2人が喋ってるとこ見たら…奥の方でギュッてなって……俺が好きなんは小春のはずやのに…財前のこと考えたら……」

「………ユウジ先輩」


声をかけると体をビクつかせて遠慮がちに俺の顔を見た


「ぁ…ごめん……」

「先輩可愛すぎますよ」

「えっ…ちょっ、財前!?」

「何スかユウジ先輩」


耳まで真っ赤にして俺の胸を押してくるユウジ先輩の体を、より強く抱きしめた


「俺も苦しいですよ。いつも金色先輩とひっついてるユウジ先輩見るの」

「何で…」

「だってユウジ先輩のこと好きですもん」


「そんなサラッと…!///」

「だってユウジ先輩だって俺と同じ感情あるんでしょ」

「う、うん…」


「言ってくれそうにないんで先言いました。それとも言ってくれんの待ってた方がよかったですか?」

「意地悪いで自分…!」

「そんなん昔っから知ってますわ」


「で、結局どうするんですか?」

「何が?」

「何がって…先輩が返事してくれんと」

「あ…えっと……うわ待って恥ずかしい//」


「俺のこと好きなんスか?嫌いなんスか?」

「す…好きや//」

「ん、そうですか」

「!」


ユウジ先輩の付けてるヘアバンを目元までずり降ろすと、そのまま唇を塞いだ


「急にビックリするやんけ!//」

「こうでもしないとユウジ先輩目ぇ開けるじゃないですか」

「心の準備をさせろ!!///」

「嫌っスわ」


ニヤリと笑うともう一度唇を塞いだ


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