☆手が届いたら
□ACT.9
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勝希を含め五人はこちらに向かってくる生徒会集団に目を逸らし俯いていた。
「しょーちゃーん!!!どうしたの?俯いちゃってー」
一番最初に切り込んできたのは平太郎。
勝希のアフロを触りながら、凄いね?と勝希の顔を覗き込んできた。
うざい!!何が、凄いね?…じゃ!お前の裏表のが凄いね?じゃぁ!!!!
ハゲ!ボケ!カス!
…と言いたいが、言えない勝希は俯いたまま堪える。
そこへ…。
「勝希」
シーーン
一人の男が勝希の名を呼んだ途端、その場は一気に静まり返った。
え?何?なんかやった?俺。
そして…。
「キモーイ」「っざけんな」「チョークアフロ黙れ」「チョーク刺さってんだよ」
などなど良いとは言えない発言の数々。
チョーク刺さってんのは俺がいっちゃん知ってるねん!外野は黙っとれ!!!!
「勝希?」
「なんや剛?」
「いつから新堂と仲良くなった?」
「あ?いつもくそも、あいつとは油と水や!」
「ふーん。そんなこと言うんだ?俺は是非油と水でも混ざり合いたいね」
勝希の真上から声が降ってきた。
そして新堂の長い指が勝希の顎を持ち上げた。