☆手が届いたら
□ACT.9
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「だからどうしてそのままなの?その…あ、あた、あ、ぶっふぁ!!!!あははははは!頭おかしいだろー?!」
剛の笑い方て、ごっつい腹立つわ…。
「でね、三人で努力してチョークを取ろうとしたんだけ…ど…」
これ以上堪えきれないのか、広太は一生懸命笑いを耐えているが、笑いを耐える人の顔はそれだけで面白い顔になることを広太は忘れていた。
そこでさらっと口にしたのは壮弥だった。
「アフロが絡まって取れないんです」
「ぶっ!あっはははは!さ、さすがアフロ!絡まった?お前髪の毛ぐらい洗えってー!!」
お前、俺の頭は人工毛っての忘れてるやろ?
「替えのアフロあるから大丈夫!」
とまた笑いだした。
…笑い死んでくれ…。
「きゃーーーー!!!」
剛の笑い声さえ聞こえなくなるほど黄色い(野太い)声が食堂中を一杯にした。
さて…きゃーゆわれてる奴らから逃げる手段は…皆無……きゃー…。
「勝希!お前アフロ目だってんだよ!!」
ほな、このチョークどないかしろや…。
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