☆手が届いたら
□ACT.9
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き…器用なやつ…。
そして退屈な授業を終えて、4人そろって食堂に向かった。
食堂に着いた勝希はいつもより更に上乗せして目立っていた。
「な、なぁ?これ、取ってくれへん?」
勝希は自らの頭を指さし泣き顔をさらし訴えた。
「くっ、はっははは!!ムリ!!」
笑いを堪えきれていない楓。
ちっ。お前に期待した俺が間違ってたな。
笑う楓をほったらかして壮弥と広太に頼む事にしたが、此方も楓の二の舞に終わった。
すると、もの凄い笑い声を発しながらこちらに駆け寄ってくる人物を見つけた勝希は、腹いせと言わんばかりに頭からそいつに突撃した。
「ぐ…ぐふっ」
「笑うなよ、剛」
床にへばりついている剛に冷たい視線を向ける勝希。
痛がりながらも笑っている剛の姿は、変なスイッチがONになっている。
「で、どしたの?その…ぶっ!!ぎゃはははは!!」
だから笑うなって…。
「それが、津崎先生の授業で勝希君寝てしまって…チョーク投げられたんです」
広太は心配げに勝希のアフロを眺めながら剛に説明した。
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