☆手が届いたら
□ACT.8
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寝起きの勝希は頭をガシガシ掻きながら、ソファーに腰を下ろしタバコに火を付け息を吸い込んだ後…。
「何ゆうてんの?俺のこともー忘れたん?」
「「「……?!!」」」
三人は互いに顔を見合わせて、餌を待つ金魚の様に口をパクパクさせた。
それを見かねた剛は呆れて、
「それ、勝希…」
「「「えーーー?!!」」」
「お前ら、朝っぱらからうっさいねん」
勝希は事の重大性に気付かず盛大に欠伸をした。
「……」
剛は無言で勝希の頭を指さし、ヅラと眼鏡、さらにはコンタクトまでもが無いことを目で合図した。
「んなーーーー!!!!!?????」
そして次に騒ぎだしたのは勝希だった。
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