☆手が届いたら
□ACT.6
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ガバッ!!
「はぁ、はぁ…はぁー」
ベットから飛び起きて、寝ていた筈なのに上がった息を整えた。
「朝…か?…なんで…今更あんな夢…」
長い間苦しんで過ごしていた中学生時代。
遠い過去の記憶と言うほど古くなく、まだ新しい。
勝希にとって忘れ去りたいほど苦痛に歪む記憶…。
そんな勝希の気持ちとは裏腹に外は晴れ晴れとした晴天。
太陽は眩しくギラギラと照っている。
すると、自室のドアがゆっくりと開けられた。
「お?起きてんならさっさと服来て飯食いに行くから、支度しろよ」
「おー」
重い頭を抑えながらベットから立ち上がり、服を素早く着替えていく。
「よっし!準備オッケー。……はぁ」
溜め息と共に変装グッズを付けていく。
嫌だ嫌だと言っていても、こうも族のチーム達が顔を揃えてる中今となってはこのカツラ達が唯一勝希の最後の砦を担っているのだ。
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