☆手が届いたら

□ACT.8
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ドンドン!
ドンドン!


「あー!うるせっ」


剛は寝起きのままけたたましくドアを叩いている人物に文句を零しながらそのドアを開けた途端…。


「勝希は!?」


「勝希君大丈夫?ほっぺた腫れてない?!」


「楓も広太も一気に喋ると剛さんも困るでしょ?」


口々に言いたいことを喋る楓と広太を壮弥が宥めるが、ウズウズしている二人には全く効かないみたいだった。
かと言う壮弥も口には出さないが勝希が気になって仕方ない様子だった。


「はい、はい。ご近所迷惑だから取り敢えず中に入んな?」


ゾロゾロと導かれるまま三人は部屋の中に入った。


「で?勝希は?」


相変わらず同じ事しか言わない楓がキョロキョロ部屋を見渡し目的の人を捜した。
三人にお茶を出しながら剛は答えていく。


「部屋で寝てんじゃね?」


ガチャ


その時だった、ボサボサ頭で寝起き丸出しの勝希が自室から出てきた…まではよかった。


「あ…」


一言剛が声を漏らした途端に三人は騒ぎ始めた。


「誰ですか?」


「うわぁ。凄く綺麗な子だねー」


「剛さんの知り合いっすか?」



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