ボクの事情

□ボクの事情 クリスマス編 @
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ボクの事情 クリスマス編



マンションの1室。
最近まで独身の男が一人で暮らしていた。
1人寝には大きすぎるベッドが揺れている。

「ちょっ…、ああっ…待って…」
「何を待つんだよ?」
「…だって…」
「無理。つうか声あんまり出すなよ…ニーナが起きるだろ?」
「…っつ!」

白い肌が朱に染まって、背中を仰け反らせていた。
苦しくて辛いはずの行為なのに、頭が飛びそうになる。
いつもは乱暴な口調で、まあ今も口は悪いのだが身体を撫でる手は優しくて気持ちが良かった。
そんな事、認めたくはないが実際に自分から喘ぐ声が出てしまう時点で負けた気になっている。
これは契約で、仕事で、ニーナとの生活の為に嫌々ながらされている行為な筈なのに…。

「いい顔してるな」
「…して、ないっ」

この意地の悪い医師に睨んでも、悪態ついてもなんの効果も無い事は十分承知している。
でも言わずにはいられない。

「そろそろヤバそうだ…。いいか?」
「ど、うせ『ダメ』って…言っても、聞かない癖に…」
「そりゃそうだ。アル、もうちょっと腰上げて」
「…んんっ」

受け入れやすくする為に腰の下にクッションが敷かれる。
明日、洗濯しなくちゃとか考える。
ベッドの軋む音が早くなり、その音とともに身体が浮上していく。
絶頂を迎え呼吸が一層早くなる。
最奥まで打ち込まれ、揺さぶられてお互いに果てた…。


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