エドアル その2

□クロスロードU 2、5章 完
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クロスロード 2・5章

『スプラッシュ!!』



何故か学園内で『交際関係』になってしまったオレ達兄弟。
考えられないと周りに抗議しても、取り合ってくれずにとうとうオレは否定する事を諦めた。

まあ、おかげで告白してくる奴は居なくなって、清々はしてるのだが・・・。



例のごとく、オレは弟を避けていた。
一緒に居れば、また変な風に言われるのが嫌だからだ。
アルは可愛い。
それは認めるけど、男で弟だ。
無理な物は無理だ。
でも今回アルフォンスは切羽詰っているらしい。
わざわざ高等部まで来て、オレの帰りを昇降口で待っていた。
・・・こんな事なら、昨日メール返事して置けばよかったな。

「あ、兄さん!!」
「・・・たく、こっちに来るなよ」
「だって、メールしても返事くれないし、他に頼れる人が居ないんだもん」
「・・・しょうがねえな」

困ったように覗き込んでくる顔に、俺は弱い・・・。
結局、頼られると何とかしてやりたくなる。
だから会いたくないのに。
しかたなく、いつものカフェテリアへ向った。
周りで女子共がキャアキャア言ってるのがうるせえな。

「で、なんだよ相談て」
「それなんだけどさ、・・・兄さんて泳げる?」
「はあ?まあ、人並みに一通りは泳げるぞ。それがどうした?」
「お願い!!ボクに泳ぎを教えて?」
「なんだよお前、泳げないのかよ?」
「・・・昔、ワザとウィンリィに溺れさせられてから、水が怖くて・・・」

自分よりもでかい高校生を10人纏めて倒せるアルフォンスが、水が怖いなんて意外だった。
スポーツ万能で、何でもこなすんだと思ってたしな。

「で、何でオレなんだ?姉ちゃん達に教わればいいだろう?」
「・・・む、無理だよ!!泳げるようになる前に、ボク死んじゃうよ!!前に教わった時に・・・三途の川が見えたんだから」

ブルブルと震えている。
よっぽどの事があったのだろう、あえて聞かないけど。

「いいけど、なんでまた今になって覚えようとしてんだ?」
「来週から水泳の授業が始まるんだけど、中学になっても泳げないなんて・・・かっこ悪いし」
「ああ、そりゃかっこ悪いな」
「だよね。・・・で、兄さん今度の土曜日プールで教えてもらえる?忙しいなら、断っていいけど・・・」
「あー、考えとく」
「…そう…、じゃあメールでいいから返事ちょうだい」

アルとプールか・・・。
プール・・・ねえ・・・。



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