・シンフォニーとバッカス

□シンフォニーとバッカス 7
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アルを仕事に送り出した後、ベッドにバフンと横になった。
少し、アルの香りが残ってるなぁ、なんて考えたりして。
本当にガキで困る。

普通、人のこと抱きしめたまんま寝るか?

それだけ、安心しきっているというか、何とも思っていないって事だけど。
あー、もうドキドキして寝られねえ俺一人が本当に馬鹿みたいで、可哀そうだ。
・・・それが友達ってもんなのかな…。

すうっと、ウトウトし始めた。
少し寝たら、チャイムが鳴った。
ぼーっとした頭を起こして、考えずにドアを開けたら…ロイがいた。


「なんだ、寝ていたのか?相変わらずだな。」
「…何、オレ忙しいんだけど。」
「まったく忙しそうには見えないがね。」
「用事無いなら帰れよ。」
「つれないな。君の新しい恋人の話をしに来たのに。」
「…なんだよ、まさか苛めてんじゃねえだろうな。」
「子どもか君は。そんな事する訳ないだろう。取り敢えずここでは話づらいな。」
「…ちょっと待ってろ。着替えるから。」

ロイと近所のコーヒーショップに行った。
昔はこうしてよく、朝のコーヒーを飲みに行ったっけ…。

「単刀直入に言おう。アルフォンス・ロックベル君とは偽装の恋人だろう。」
「な?そんなことねえよ。ちゃんと…付き合ってる。」
「そうか?では、今、彼と一緒に暮らしている彼女は何なんだろうね。」
「…何のことだ?アイツ、一人暮らしじゃねえの?」
「いいや、金の長い髪の可愛らしい女性と暮らしている。彼女自身から聞いた話だ。」
「…ああ、思い出した。姉ちゃんだよ。そういえば田舎から出てきてるって。」

なんて嘘をついてみる…。

「それも嘘だな。イベント会社勤務で、もう何回も私のコンサートの運営をしてもらっている。同棲して長いそうだ。」

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