ゾロビン
□風邪はうつすと治りが早い?
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朝の食事を終えて、三々五々散らばる時間。
眉間にしわを寄せて、ゾロがロビンの腕を掴んだ。
眉間のしわはいつもの事だから気にしないが、ロビンの腕を掴んだのでみんなの頭に『?』のマークが浮かぶ。
「おいゾロ、ロビンちゃんに何しやがんだよっ!!」
コックは頭から湯気を出さんばかりに怒鳴り散らした。
しかしそんなの、まるっと無視してトナカイの前に連れ出すゾロ。
「おいチョッパー、調子悪ィみたいだ。診てやれ。」
そう言い放って、ゾロはダイニングテーブルをはなれた。
呆けているチョッパーに、ロビンは申し訳なさそうに微笑む。
「ロビン、どこか悪いのか?」
その問いには答えずに、無言でのど元を指差した。
どうやらそこが痛いらしい。
普段からそっせんしてしゃべる訳ではないロビンに、誰も気が付かなかった。
しかし朝から挨拶の声も聞いていなかったとナミは思った。
「あーんて、診せて。」
そうチョッパーが言うと、黙って従った。
大きく口を開けるロビン。
「うわっ、扁桃腺が腫れてる!!痛かったろう?」
微笑みながらゆっくりと首を横に振ったが、真っ赤になった喉は相当痛かっただろう。
悪い癖だが、大抵の事は我慢してしまうロビンだから周りは気が付かなかったのだ。
これがウソップやナミなら痛い痛いと大騒ぎだっただろう。
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