ゾロビン

□優しさに包まれたなら
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『優しさに包まれたなら』

すこし長めに滞在した島を後にしてしばらくたった頃、サニー号の甲板で小さくなりルフィとウソップがこそこそとよからぬ事を話し合っていた。

ルフィの手の中には、小さな白い錠剤が1つのっていた。
「なァウソップ、昨日町でもらったこの『若くナ〜る』の薬、本物かな?」
「どうだろうな、あの医者怪しい感じだったしなァ〜。」
「よし、ウソップ。お前飲んでみろよ。」
「冗談じゃねえよ!1粒で20歳は若返るって言ってただろ!本物だったら、オレはミジンコになっちまうだろ!!!」
「ちぇっ、つまんねえの。」
ぶつぶつとルフィは言っていた。
「じゃ、フランキーにでもこっそり飲ませるか。」
「サイボーグにも薬効くのか?」
なんてひそひそ話し合っているところに、
「あんた達、何たくらんでんのよ!」
とナミが来た。その声に驚いたルフィは持っていた錠剤を投げてしまった。
「いや、何も…。」
「何もしてないです。」
二人とも異様に横目になり、顔を見れば明らかだった。
「正直に答えなさい。さもないとわかっているでしょうね…。」
ギロリと睨まれる。
「…はい…。」
力なく二人は観念して、飲むと20歳近く若返るという例の薬の話をした。

「へぇ〜、本当にそんな薬なら高く売れそうね。で、その薬はどこにあるの?」
とナミが聞くと、
「さっきまで手に握ってたんだけど、驚いた拍子にどっか投げちった。」
とガハハッとルフィが笑う。
「バカっ、探すわよ!!」
と一喝してから、三人は甲板を這いつくばり、白い錠剤を探した。
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