ボクの事情

□ボクの事情 3 (初夜)
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部屋はクローゼットも付いている部屋で、今朝出てきた部屋と同じか少し大きいくらいだ。
荷物も衣類ぐらいで、クローゼットにすべて納まってしまう。
とりあえず寝られるように寝具だけをきちんとして、他は後回しにする事にした。


夕食は宅配のピザを頼み、ニーナは大喜びして食べていた。
初めて食べたので、美味しいを連呼してよく食べた。
しかし、アルフォンスは食欲も無くなかなか喉を通らなかった。

「ねえねえ、先生っ!一緒にお風呂入ろう」
「あ?風呂?」
「うん、背中洗ってあげる。パパにもいつもしてあげるんだけど、上手だねって褒めてもらえるんだよ」

食べ終わったニーナはエドワードにそう伝えた。
何もかもが嬉しくて仕方ないようだ。

「ニーナ、先生は疲れてるんだからダメだよ?パパと入ろう」
「え〜、どうして?」
「どうしても!」

幼い子どもとなんか一緒に風呂になど入ったことが無いだろうエドワードに、負担がかかると思ってアルフォンスはそう諭した。
なのに当のエドワードは

「いいぞ、入るか?」

などとあっけらかんと言ってのけた。
子供好きな様には見えない。

「…ニーナにまで変な事…するつもりじゃないだろうな」
「馬鹿野郎!するかよっ!!」

怒鳴られた。


浴室はユニットバスで、ニーナと入ったとしてもゆったりとしている。
きゃあきゃあと楽しげな声が浴室から聞こえてきて、アルフォンスは複雑な面持ちになる。
ニーナを取られてしまった様な、感覚を持ったとしても仕方ないだろう。
ブツブツと文句を言いながら、アルフォンスはテーブルをかたした。


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