Song of the sea シリーズ

□Song of the sea 1.5
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もしここに入るなと、押さえつけて脅し命令すればアルフォンスは言うこと聞いてしまうだろう。
今までがそうであったように、アルフォンスの中でエドワードとの関係は海賊の船長とキャビンボーイと相違が無い。
その見えない力で抑え込むなら、簡単な事だろう。

でもそうはしたくない。
主従関係でない、家族として付き合っていきたいから…。
なかなか難しい物だと、エドワードは苦笑いをする。
新人の海兵の方がよっぽど扱いやすい。
ネコに躾をするようなものだと思った。

気まぐれで、気ままで、するりとすり寄ってくる。
かまってくれと誘う、こっちの都合なんて考えずに。
そして『相手にしてくれないな』と諦めると、さらりと去っていく。
もっとも、ネコに躾なんて無理な話なのだが。

すっかり眠気をそがれてしまったエドワードは、ランプの明かりを強くして先日買った本に手をかけた。
気持ちよくベッドで寝ていたのを起こしたネコは今頃、階下のソファで丸まっているだろう。



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