アルエド パラレル部屋

□ラプンツェル 2
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そんなある日、ラプンツェルから慌てたような手紙が届きました。
何か大変なことが起きたと、どうしたらいいのか解らないから一刻も早くアルフォンスに会いたいと書いてありました。

アルフォンスは、家の事がとても忙しくなりなかなかラプンツェルの元へと行けなくなっていたので顔を見るまで心配でなりませんでした。

そして、真夜中にこっそりと家を抜け出してラプンツェルの元へと馬を走らせました。
真っ暗な闇夜の森は、いつもよりもおどろおどろしくて恐怖を感じます。
もしかしたら狼や熊にも合うかもしれません。
でも、あの塔の上で一人不安な気持ちを抱えているラプンツェルの事を思うと心臓が潰れそうでした。

「ラプンツェル・・・、ボクだよ。アルフォンスだよ・・・。」

塔の下から、恐る恐る声を掛けました。
もしかしたらラプンツェルがお母様に知られてしまうかもしれない。
そう思いましたが、そんな事よりも怯えているラプンツェルに会いたかったのです。

夜の薄明かりの中、するすると金色のラプンツェルの長い長い髪が滑り降りてきました。
アルフォンスは、1秒でも早く上に登ろうと塔の上に駆け上がります。

「ラプンツェル!いったいどうしたの?」
「アル!!アルッ!!」

そう叫びながら、ラプンツェルはアルフォンスの胸に飛び込みました。
ブルブルと震えて、今にも崩れ落ちそうです。
泣きじゃくりながら、アルフォンスにしがみついて離れようとしません。
どうやら、今夜はラプンツェルのお母様は帰ってこなかったようで少し安心しました。

「ねえ、どうしたの?ゆっくりでいいから、ボクに話して。」
「オレ、病気みたいだ。し、死んだら、どうしよう・・・。」

あまりの告白に、アルフォンスは頭が真っ白になりました。
病気、死ぬ・・・どれも今まで考えたこともなかったのです。

「…どういう症状なの?・・・ボクに出来る事なら、・・・ううん、ボクが絶対治してあげる。だから、話して。」

アルフォンスも震える声で、落ち着つようにラプンツェルの頭を撫でながら話します。
この世からラプンツェルが居なくなる・・・そう思うと、自分も生きていられないと思いました。

「手紙を出した日の朝な、…お、お前の夢を見たんだ・・・。」
「うん、・・・それで?」
「オレな、夢の中で・・・いつものように、抱き合ってお前と・・・キス、したんだよ。」
「…そう。」
「すごくドキドキして、・・・気持ちよくて・・・で、朝起きたら・・・。」
「…起きたら?」
「おしっこじゃない、・・・変なものが出てたんだよ。・・・オレ、病気だ。死ぬかもしれない・・・。」
「…。」

アルフォンスはそれを聞いて大きく長いため息をつきました


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