忍たま

□僕のきらきら
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きらきら。輝く。輝く。
いいなあ。

「ん?どうしたの伊助くん」
眺めていたきらきらは、僕の視線に気が付いて微笑む。
尋ねたことばと共に、僕の頭を撫でながら。――ああ、やっぱり僕は、子供扱い。

タカ丸さん、と小さく名前を呼ぶ。
そうしたら、もう一度貴方はどうしたの、と言った。
細まったねこ目を見ながら、可愛いなと僕は思う。僕よりもずいぶんと年上なのに、タカ丸さんの雰囲気がそう思わせるのかもしれない。
あるいは、顔立ちのせいもあるのだろうか。
けれど今、見上げている、という事実と。頭に置かれた手は、確かに僕が年下だということを物語る。
「タカ丸さんが、綺麗だなあって」
「へ?」
やっと開いた口で、思った言葉を伝えると、タカ丸さんは呆けた顔をした。
「タカ丸さんが、綺麗だったんです。だから僕は、ずっと見てました」
さらに言葉を繋げる。
呆けたままだったタカ丸さんの顔が、段々と赤くなっていく。
なんだかその様子を見るのは楽しかった。

「タカ丸さん、真っ赤です」
「いっ伊助くんが、綺麗とか言うから」
言葉尻が小さくなって、最後は消え入りそうな声。
可愛らしいなあ、と再び思う。
本当にどうして、この人はこんなにも僕の心を揺さぶるのか。


「好きですよ、タカ丸さん」
「え!?」
びくっと体まで揺らして、そんなに驚かなくたっていいのに。
「タカ丸さんは、僕のこと好きですか?」
「えっあう、すす、好きだよ?」
「ふふ、そんなに焦って。本当ですか?」
「っ本当だよ!」
はじかれたように、大声で僕に応えたタカ丸さん。
そのあと、ハッと気が付いたように口をぱくぱくと開閉させる。
勢いで肯定した言葉が、今更恥ずかしくなったみたいで、おさまってきていた顔の赤みも戻りかけだ。

愛されてる、なぁ。

「はい、信じます」
そうして、俯くタカ丸さんに勢いよく抱き着けば、貴方は恥ずかしそうな声で、僕の耳元に囁いてくれた。
「伊助くん、好き」なんて。
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