hunter短編集
□じんわりクリスマス
1ページ/5ページ
「雪…」
イルミは部屋の窓から、突然に降り出した白い結晶にふと目を留めた。
一瞬考えた後、
カレンダーを見ると今日が25日であることが確かめられた。
「…キルアとホワイトクリスマスでも堪能するか」
イルミは勢いよく椅子から立ち上がり、 猛烈なスピードで部屋を後にした。
イルミの家は名家であり、彼は豪邸に住んでいる。
部屋数やその他何もかもが有り余り過ぎている為、 彼らは自分の好きな場所にある部屋を好きなだけ所有して良いことになっていた。
したがって、誰がどの部屋にいるのかは全く分からない。
キルアは家では携帯を持ち歩かないので、探すのは一苦労であった。
「(……いない)」
ひたすらに家中を走り回り、あちらこちらにあるキルアの部屋を全てまわったが、見当たらない。
その時ふと、キルアが家にいるとは限らないことに気づいた。
「(……"ゴン"のとこかもしれないし)」
イルミは眉を潜めてふぅ、と 溜息をつき廊下にしゃがみ込んだ。