創作

□緑青の窓
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ー霧散ー





「ねぇ、セトウチ君」



ステンドグラスを通った光は、淡いグラデーションをもって彼を彩る。

きらきら、光る髪。



「清寧天皇って……」



上目遣いでこちらを見遣るその瞳は、薄い紫。



「知らないよね、普通」



くくっと笑うと、目が細まる。


「調べといて… 明日までの、課題、だよ」



じゃあばいばいと言って、俺に背を向けた。

身長の割りに長い脚が、悠然と渡り廊下を闊歩する。



ふわふわと、風にたなびくその髪は。

白金(プラチナブロンド)の、絹のような髪。
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