愛犬万歳2

□AIKENBANZAI2
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――さ、さて、ではカニス・フォルムについてうかがいます。

らまさまのお話では、

「小太郎はカニス・フォルム行きます。
出不精な内弁慶くんですが、たまに意を決したように出かけて行きます。

でも、わんこ仲間と交流するより、交流しているわんこ達を垣間見ながらひっそりお茶したりしてるようです。本当は仲間に入りた…」


ということですが、小太郎くん、本当ですか。友だちと遊んだりはしないのですか?


小太郎: 言いましたか?

(睨む小太郎、びびるらま。)

小太郎: 言いましたね

(睨む小太郎、しょげるらま@涙目)

小太郎: これは実は重要な問題を孕んでいます。僕が内弁慶の人見知りかどうかは別として。

我が家では、たいへん良い関係が成り立っていますが、それでも何となく噛み合わない時があります。
集中したい時に限って邪魔されたり、休みたい時に限ってかまって貰いたがったり。

そういうちょっとしたストレスがいくつか重なった頃に、僕はCFに出掛けるのです。要は煮詰まる前のガス抜きですね。
うちのドムスの歪みを解消させるべく出向いて行くわけですから、呑気な同居人から見れば「意を決した」ようにも見えるんでしょう、きっと

らま: をい! 同居人ってなんだ!? 小太郎は、らまのわんこ。らまはお前のご主人さまなんだぞ! に、睨んだってダメなんだからな、言っちゃうんだからな! らまは、らまは、ご主人さまなんだからな! ひっ…。

――……あ、あの

らま: 小太郎はこないだ、おやつが気に入らないだけでカニス行ったんだ(ひっ)。わざわざ「CFのカフェでパルフェを食べて来ます」ってフランス語で(ひっ)言ってから行ったんだ(ひっ)。

らまが(ひっ)おやつは水羊羹だって言ったのに(ひっ)。ひっ、…ひぐっ。そんで一人で遊んで来たんだ…ぅっ。小太郎(ひぐっ)はそんなに偉くないんだから(ひっ)な…ぅ。

小太郎: はいはい、わかってますよ。僕は偉くない、全然偉くない。ちょっと賢いだけの貴方のわんこですよ。ハイ、だからもう泣かない

(往なす小太郎、諭されるらま。)

小太郎: 申し訳ありません。何だかインタビュー、滅茶苦茶ですね。どうしましょう、続けますか? もう少しなら彼…コホン、僕もお付き合いできそうですが。まだ帰らなくても良いですね?

(聞いては見たものの答えは聞いてない小太郎。
聞かれているらしいが、自分がヤラカシたらしいことにしか意識が向かないらま。混乱した現場にただ困惑する家令)
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