愛犬万歳2

□AIKENBANZAI2
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「お待たせしました」

 アキレウスのような金髪の偉丈夫が現れた。
 愛犬万歳編集部のリクエストに応じてヴィラが紹介したのは、ノエル・アストンであった。

「うわ! エリックの乳売りアクトーレスだ!」

 お気に入りのアクトーレス登場に編集部記者、おサル卿は興奮して思わずナンキンタマスダレる。
 ノエル・アストンは笑い、

「乳売りってなんですか。たしかにエリックのアクトーレスですけど――」

「いやいや。君は乳の呼び売りで一躍人気者さ☆」

 おサル卿は固く握手したアクトーレスの手をぶんぶん振り回す。
「それでなくとも君のアシストは素晴しかった! 私は君を高く評価しているんだ。今日は忙しい中すまないが、よろしく!」

 ノエルは笑顔で頷くと、

「成犬検査について質問があるそうですね? 静かな場所へいきましょうか。どうぞこちらへ」


 向かい合って腰を落ちつけると、早速手帳とペンを取り出したおサル卿は、

「ええと、これはわが編集部内の疑問で、内容は成犬検査についてのイロイロエロエロなんだ。もちろんヴィラ的にNGな質問には答えなくていいからね。

仔犬は受かりたいの?

「まず成犬検査って、基本 立ち会うのは誰と誰? 主人も同席していいんだよね? 大体 何人以上が立ち会えば成立するの?  立ち会う試験官の役職も教えて貰えるかな?」

「成犬審査に立ち会うのはご主人様、担当アクトーレス、デクリオンクラスのアクトーレスが三人以上。犬によっては、ほかにえらいさんが見にきたりしますが、だいたいそんなもんですね」

「われわれの疑問はね。一体 その審査に、仔犬は受かりたいと思っているのか? ってこと。 
同時に 主人も仔犬を合格させたいと思うのか?  もしそうだとしたら、それは、なぜ?」

「ご主人様は、もちろん合格させたいでしょう。いつまでも仔犬が従わないと、仲間内で体裁が悪いと思われるようです。調教能力がない、主人としてカリスマがない、と思われるらしくて。

 仔犬のほうは、審査がそもそもなんだかわかってないことがほとんどなので、受かりたいという意識はあんまりないんじゃないかな」



成犬審査 
犬・ランディ

成犬審査――
 今でも身震いするぐらいイヤな思い出です。
 変な連中に囲まれて、輪姦されるかと思った。
 ご主人様にキレられたくなくて、懸命に言うことをききましたよ。
 ひどい命令だった。終わった後で泣きました。
 でもあとで、あれが審査で、合格したんだって聞きました。



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