愛犬万歳2
□AIKENBANZAI2
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――ああ、そんなに難しく考えないで…
ちなみに明治に生きたとある文豪は「(貴方と一緒に見ると)月が綺麗ですね」と、また他の文豪は「私死んでもいいわ」と訳したらしいですよ。さあ、気軽な気持ちでお教えくださいませ。
モンド: …(何かに気付いた様子)しっかりして下さい、自業自得ですよ
海藍: 命の次に大事だよ、とか
モンド: つ、次ですか
海藍: 死は、最大の罪でしょう?『命より大事』何て言われたって、僕は全然嬉しくないし
モンド: 手当たりしだいに、甘甘なラブストーリーにあこがれる人とは思えないセリフですよ
海藍: 手に入れたら手放したくないんだよ、僕は我儘だから。『別離』なんて考えただけでぞっとする
モンド: まあ、お互い生きている以上、いつかは来る逃れられないものですけどね
海藍: 涙雨(るいう)だろうな、その時が来たら、きっと
モンド: 素敵な事じゃないですか! 死んで泣いてくれる人の数が幸せの証という言葉もありますし、最期に泣くっていうのも『I LOVE YOU』の一表現ですよね
海藍: …やめやめ。こんな疲れる遊び!
モンド: 仕掛けてきたのは海藍さまでしょう?
――…は、失礼いたしました。あまりの素敵さに放心しておりました。
ぜひ、その言葉、今あなたの頭の中に思い浮かんでいる相手に言って差し上げて下さいね。
海藍: じゃあ折角なんでこの場で…モンド(モンドをじっと見つめる海藍)
モンド: な、何ですか
海藍: 君さ、カニスフォルムとか、図書館とかいろんなところに行っては、帰ってきて僕にお土産話してくれるじゃん?(完全に目を合わせる)
モンド: ええ(ドキドキ)
海藍: いろんなことを、君の言葉で追体験するのが、僕の一番の幸せ
(モンド、照れのあまり真っ赤になって硬直中)
海藍さ: だからこれからも…って、聞いてないな(笑)よし、この隙に回答しようっと!
――それでは、本題の質問に入りましょうか?
海藍: はい、イキましょう??
――まず、あなたが「ああ、ヴィラに染まってるなあ」と思う瞬間ってどんな時ですか??
海藍: うーん、男の人の裸に慣れすぎて、ちらっと見える素肌に、却ってドキドキしてしまうとき(笑)
――あはは。確かにそれは染まっていますね。イエイエ何にも問題はありませんよ。むしろ、海藍と一緒にもっと染まりません?(笑)
海藍: ええ、ここまできたら、開き直って染まった方が楽しいですもんね