愛犬万歳2

□AIKENBANZAI2
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 調教の主役はやはりご主人様と犬。それをサポートするアクトーレスも脇役ながらやはり表舞台に立っているといえよう。 しかし、決して表舞台には立たないが、欠かすことの出来ない調教の陰の立役者がいることを忘れてはならない。

 このコーナーは、そんな普段は目立たない人たちにスポットを当てていこうというコーナーです。



 春に行われたパトリキ度チェックを覚えていますか?

ヴィラ会員であることを誇りに思われる持ち主オブ危険思想様から真っ黒ひよこパトリキ様まで、さまざまいらっしゃいましたね。
さて、その中の質問の一つ

・卵を産むのはニワトリではなく犬だ

を覚えていらっしゃるでしょうか。
ついにここで、答えを発表しちゃいます。
ヴィラの卵はナナ・ナント!
工場で作られています!

今日はその工場で、たまごが生産されている様子を案内役を務めてくれるジョナサン君とともに見学しましょう。



工場と言ってもそれほど大きくなく、職員は10人程度。そのうち6人は使役犬です。

そういうジョナサン君も使役犬の一人。激しい調教の名残で少し足を引きずっており、カフェで働く事が難しいと判断されここに就職しました。

一回の調教でいくつも使い、特に陶器製は割れる事もあるので、大量生産できるよう、シンプルなものはほぼオートメーション化されています。

工場のラインは大きく分けて3つ。

一つ目はスチール製用ライン。
完全機械化されており、専門のエンジニア一人と専属の使役犬二人で動かしています。
機械はジャパンのベアリングの球を製造する機械をそのまま使っています。

耐久性が良く、商品の回転が少ないので、月に1週間程度しか動かしません。もったいないですよね。結構高い製造機なんですよ。

二つ目は陶器製用ライン。
窯の温度が下がると、再び焼ける温度にあげるまで時間がかかるため、24時間動き続けています。こちらも専門のエンジニアが一人と使役犬が二人。でも、イースターが近くなると、ほかの部署から人手が回されてきたりします。この工場の主力ラインですね。

三つ目はプラスチック製用ライン
エンジニア一人と使役犬一人。と言っても完全オートメーションのため仕事と言えば機械がちゃんと動いているか見守っているだけです。


どこのラインで製造された卵も、出荷前にテストを受けます。
テスト方法はいたって簡単。

斜めにした板の上から卵をころがし、まっすぐ下に転がったらよい卵、板の端の方に行ってしまったら悪い卵。
下にたどり着く前に板からはみ出てしまったら規格外として廃棄されます。

―――たまごと言えば卵型では無いのですか?

技術的には、たまご型卵を生産する事も出来ます。ただ、人間のおなかは本来卵を産むための構造をしていないので、いびつな形だと割れてしまう危険性があります。割れない強度を保ったら、今より生産量は減るし、値段も高くなるでしょうね。

―――見た目にはあまり分かりませんが?

はい。見た目にはわからないでしょう。しかし、おなかの中でかかる圧力を考えたら限りなく球に近いものでなくてはいけません。特に陶器製は。

テスト員は、必ず使役犬です。なぜって、もし自分に使われたらという気持ちがより正確に不良品を見分ける能力につながりますから。

―――以上の三種類以外に製品はありますか?

はい、ありますよ。特別に注文があれば、陶器の卵に絵付けをしたり、宝石を埋め込んだり。使用より鑑賞目的ですよね。

それから、5月にあった海賊ゲームで出てきた海亀のたまご。あれも僕たちがここで作ったんですよ。産卵の時の衝撃で膨らむようになっているんですが、腸内で膨らまないようにするのに苦労しました。

現在、音が出るのも開発中です。ただ、音がきれいに響くようにするには外壁を薄くする必要があり強度との兼ね合いが難しく計画が頓挫しています。この記事を見た誰か、スポンサーになってくれないかな?

―――たまごを使った面白い遊び方のアドバイスはありますか?

え?産卵プレイ以外にですか?そういう事は僕に言われても困っちゃうな。

ああ、そうだ。以前、金属製の卵を入れたまま旅行に連れていかれた犬の話を来た事があります。どれだけ服を脱いでも金属探知器に引っかかっちゃって、ご主人様はにやにやしながら見てるし、大変だったって。僕だったらこんな使われ方したら泣いちゃうかも。

ちなみにジョナサン君は通常、陶器卵に色つけをする釉薬を配合する係なのだそうです。
あなたの愛犬が産む卵が白く輝くのも、彼あっての事なのですね。



企画制作/しの




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