愛犬万歳2

□AIKENBANZAI2
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いじわる。
私が好きなんじゃなくて、あなたが見たいんでしょ、私が犯され泣きわめく様を。

男も、私のギャロップだけでは物足りなくなってきた頃だったのだろう。むくりと起き上がり、私を抱いたまま体制を変えた。

今や私の体は、大きく若い男の体の下に埋まってしまった。

軽々と私の両足を持ち上げ、改めて彼のくさびが打ちつけられた。体勢が変わると当たるところが変わり、感じ方も変わる。

それだけならまだいい。先ほどまで自分でコントロールできていた刺激の強さが、彼の一存で決まるようになり、それがまたひどく強い。ベッドのスプリングが壊れるかと思うくらい若者らしい力強さ。

あまりの激しさに、嬌声とも悲鳴ともいえぬ声が出る。抵抗もしてみた。が、先ほどの主人の言葉の後では演技に見えるだろう。

いくらなんでもひどい。こんなのセックスじゃなくてレイプだ!

必死に抵抗しては見たが、力でかなう相手ではない。私が注文したトップが得意と言うのは、単にトップが好きなだけでなく上手という意味だ。後でスタッフに文句を言ってやる!

男の体の下でバタバタとしていた時、ふと右手に温かいものが触れるのを感じた。誰かが私の右手を握っている。誰だろう。上に乗っている男の手は私の足を持ち上げているし。

とすれば、あとは一人しかいない。
ご主人様。私の愛する人。

顔を右側に倒す。若い男にゆすられてぐらぐらと揺れる視界のなか、確かに、あなたの顔が見える。

うれしくて涙が出てくる。あなたは私の右手を愛撫する。爪先をなぞられる度私は甘いため息をつく。五本の指を一本一本。指が終われば手のひら。続いて手の甲。あなたは優しく撫でているだけなのに、私はひどく興奮する。

ねえ、私は今どんな顔をしている?あなたの期待に添えるような、いい顔をしてるでしょう?

初めて会った男との、レイプまがいのセックスでも。あなたが手を握ってくれる、ただそれだけで、私はこんなにも幸せになれる。

あなたが望むなら、どんなに犯されてもいい。ただ、こうしてあなたと手を繋いでいられるのなら。




  ―了―



作/しの
企画/マダム・汁流




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