11/23の日記
19:41
SS5
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俺は自尊心が高ェ。つい命令口調になることもある。
だからといってさすがにこれはねェなと自分でも思ったが、後悔したのはへらへらと常に愛想笑いをかかさぬ魔術師がまるで時間が止まったかのように笑顔のまま固まってから20秒程経ってからだった。
今更後にも引けねェってんで、座ったまま放心している魔術師をとりあえず絨毯に押し倒してみる。
空色の絨毯に吸い込まれる直前で、魔術師ははっと我に返って、覆いかぶさっていた俺の腹を蹴り飛ばしてきやがった。
これはさすがに予想外の反応だ。
拒絶するにしてもこいつの場合、へらへらと何気なくかわすのだろうと思っていた。
想定外の出来事に、頭が回らん。蹴られた腹が痛ェ。
「い…ってェなテメェ……」
魔術師は「ごめんっ」とかあたふたしながらそれでも確実に俺から物理的に距離をとっている。
「で、…だって、あんなこといきなり言われたらびっくりするよーぅ」
魔術師は引き攣りながら笑っている。不細工な笑い方だ。よほど混乱しているらしい。
「好きな奴に好きだと言って何が悪い」
「は?なにいってんの君!そんなこと言ってないじゃん!」
「ああ?言っただろ」
「違うよ!君は部屋に入ってくるなり真顔で一言『ヤらせろ』って言ったんだよ!好きとか聞いてないから!」
「そうだったか?同じようなもんだろうがうるせぇやつだな」
「愛が見えない下心しか見えないオレ黒りん不信になっちゃったからもう近づかないでよねー」
そう宣言して魔術師は逃げるようにどこかに行ってしまった。
どうやら俺の真面目な告白は本気にされなかったらしい。
まあどうせ旅してりゃ離れられないんだし、そのうち機会があったら押し倒してなし崩しに身体から陥落させりゃいいか。
その後しばらく、黒様がこわいとモコナにすがりつくファイの姿が度々見られたのであった。
ラーメンうまかった
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