TSUBASA Novel 2
□長髪
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「お前、髪伸ばすのか?」
「まぁねー」
「鬱陶しくねぇか」
「んー。ちょっとね」
この髪が伸びて、伸びて、足元まで届いたら。
「この髪、伸びてもふにゃふにゃしてんだな」
「黒ぴーは伸ばしたらストレートっぽいよね」
「お前、やっぱ伸ばすのやめろ。邪魔」
「それはだめ」
オレは写真を撮るんだ。
ひとりで。
「俺の好みの問題だ」
「うわー俺様だねぇ。…大丈夫、終わったら短くするよ」
「なにが?」
「記念撮影」
それはあの子の遺影代わりになるだろうから。
end