TSUBASA Novel 2

□sing or cry
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sing or cry







「鳥が歌ってるね」

 耳を済ませいとおしむように眼を細めて大きな猫がそういうので、大きな犬はフン、と鼻を鳴らした。

「鳥が歌うなんて表現はガキくせぇ」
「えー?じゃあなんていうのー?喋るー?」
「鳴く」
「泣くの?」
「そうだ。『鳥が鳴く』」
「ふぅん」

 猫はそれきり黙ってしまって、犬は少し失敗したかと思う。
 何が失敗したのかと問われればきっとうまく答えられないのだけれど、猫が少し寂しそうだったので。

「鳥はいつも泣いてるねー」

 犬は猫にキスをする。
 猫は小鳥を喰ってわずか数日を生き延びるだろう。

「お前だって夜は俺に鳴かされてんだろ」
「うわぁ黒様ったら昼間からエローい」
「今から鳴かせてやろうか」
「遠慮しますー」

 猫はないた。










end

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