絶対零度の神原ユクエ
□第一章
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正直、こんなにもあっさり崩れやがるとは思ってなかった。
・・・脆い。
俺の日常は脆すぎるっ!!!!!
――――・・・
それは俺が高校2年の春を満喫していた頃。
クラス替えで教室の雰囲気もがらりと変わった頃。
俺、加藤晴継(カトウ ハルツグ)はいつも通り・・・いや、いつもより遅めの下校をしていた。
・・・新入生歓迎会とかいうふざけた行事のためだ。
「やばっ・・寮の門限過ぎてるぞっ・・・」
俺の通う学校は全寮制の高校だ。
部屋も広々として快適。キッチンにテレビやらエアコンやらトイレやらお風呂やらと完全装備である。学食もあるし。
・・俺の実家よりすごいと思う。
だが門限が早すぎるのだ。
それが唯一の欠点だろうと俺は思う。
因みに女子はちゃんと女子寮がある。
噂によれば男子寮よりも門限が遅く、外泊許可もすんなり通るんだそうだ。
ふつう、男子のほうがそうなるべきだよな…
俺は時計をちらちら見ながら全力ダッシュ。
危うく転びそうになった、が、なんとか持ちこたえる。
体制を立て直しながら、勢いよく角を曲がった。
―・・・と、その時。