-短編-
□お兄ちゃん2
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一人の女の子と
一人の女の子のような男の子。
「お兄ちゃん!」
「なに?」
「だいすきだよッ!//」
女の子は笑顔で一輪の花を差し出した。
男の子も笑って「ありがとッ」と、花を受け取った。
「いつまでも残せるように、押し花にしよっか」
「うんッ//」
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「兄貴ー! 起きろッ!」
「うーん……休みくらい寝かせろよ……」
兄貴はそう言ってこちらに背を向けて寝た。
「ちょっとッ! 就さん来るんだよ!?」
「それが何だよ……」
「だからッ!!
部屋汚いからかたずけろ! 全部兄貴のじゃんか!」
「あぁー わあったよ!!
かたずけりゃあ良いんだろぉ??」
兄貴が本を拾ったその時
一輪の押し花が落ちた。
「あれ? これって……」
「ん? あぁ、お前がくれたやつだ。
あの事は可愛かったなぁ……
お兄ちゃん大好きって言ってくれたろ?」
「なっ!?//」
兄貴はニヤッと笑って、
「何? 照れてんのかぁ?」と言って
肩を組んで来た
「うっさい! 離れろー!!」
暴れまくるがバランスを崩し兄貴と一緒に倒れてしまった。
その時一瞬、
玄関の扉が開いたのが見えた。
「ぁ……就……さん」
そこには、無言で立っている就さんの姿。
隅から見れば、
今の二人の体制は非常に
マズイ。
「もっ毛利!?//」
今の自分達の体制を理解した兄貴は
あたふたと仕出した。
「下衆が!! 離れよ!!」
就さんは、そう叫ぶと
兄貴を突き飛ばし私に寄り添い
私を心配してくれた。
「大丈夫だよ、就さん」
兄貴には悪いが、
結果オーライというやつだろうか。
「あの時は可愛かった……の……に……」