-短編-

□勉強
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「はぁ……どうしよーー!」

 今は休み時間。
 皆は運動場に遊びに行ったり 廊下で話したりしている。

 だから 教室には、私だけ……非
 もう一人いた。

 毛利君だ。

 明日は、数学の中間テスト 皆はすでに諦めている。

 毛利君は余裕なようで 本を読んでいる様。

 仕方ない……!

「あっあの!毛利君!」

「……なんだ」
 不機嫌そうに、視線だけこちらに向けて
 返事を返す彼。

「えっと……数学……教えてくれない……かな?」

「……」

 黙り込む彼。
 やっぱり無理な事だったのだろうか……

「……何処が分からぬのだ?」

「えっ?! あっ……
ここ……何だけど……」

 毛利君の教え方は
 凄く分かりやすくてビックリした。

「凄い分かりやすい!ありがと毛利君!!」

「……あぁ。
ところでなまえ」

「んー?」

「ソナタは好いておる者はおるのか?」

「は!?」

「……我はソナタを好いておるのだ」

「ッ……//」

「ソナタは我をどう思っておるのだ?」

「あ……」

 私は毛利君の事が ずっと前から 好きだ 。

「なまえ……」

 毛利君から目線が外せない。

「私……も、 毛利君の事……好き//」

 すると、気が付くと私は毛利君に抱きしめられていた。

 教室の壁の鏡を見ると、
 毛利君が顔を真っ赤にしていた事は
 私だけの秘密だ。

 

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