-短編-
□ありがとう さようなら
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外を見ていた。
そしたら見つけてしまったんだ。
なまえを……
かつて彼女は
妖狐であった俺と付き合っていた。
そして俺が殺した……
なまえはきっと生まれ変わりだろう。
俺は今だに殺した事を後悔している。
まだ……好きなんだ……なまえの事が……
放課後、彼女に話しかけた。
「俺の事、覚えてる?」
勿論、君はなんの事だかさっぱりといった感じだったけどね……
良いんだ。
それで。
俺は君を手に入れるとまた
君を傷つけてしまう。
ただ、妖狐であった頃。
どんな宝石よりも、君が一番欲しかった。
君が笑いかけてくれただけで
酷く落ち着いた。
君は…… 俺にとって必要不可欠な存在だったよ……
ありがとう、 そしてさようなら