短編2 

□存在価値
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_助けてくれ




目の前の男が叫ぶ。
他でもない私に。 とてつもない恐怖に襲われているのか男の目は恐怖一色。




_ああ  その恐怖の対象は私か




心で思っていた事の続きを急に口に出したからか、男は不思議そうな目で私を見た



自分のことであるのに、
まるで他人事のように呟いた。
私にとってはこの男の命などどうでもいいのだ。
私はただ依頼されただけ。
ある富豪にある強盗が忍び込み財産を盗まれたため取り返してほしいと言われた。
      ・・・・・・・  
否、正しくは取り返して来いとだ。
その言い草に私は殴りたい衝動に捕らわれたがなんとか抑えることが出来た。


この依頼を受けたのは
まぁまぁ雇い金がいい額だったから。

    ・・・・  
私だってある職業の人達以外の一般市民の困った人を助けないほど最低な人ではないつもりだ。
だが今回はお金で決めた。


理由は簡単。
きれいな金ではないから。
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