治療後、下がっていた血液が正常にあがってきた。
いつものように、先生が回診しに私のところにきた。
血液が正常値に戻ったから明日マルク(骨髄検査)が終わったら、外泊していいと、外泊許可がでた。
やったぁぁ♪♪

やっと、家に帰れる!!うれしくてうれしくて、すぐお母さんやお姉ちゃんに報告!!
好きなもの食べれる!!そして、楽しみにしてた川本真琴のビデオが見れる!!早く明日にならないかな♪

でも、明日マルク・・・
でもそれが終われば外泊
複雑だった、

次の日、午前中にマルクが終わり、やっと入院してから初めて外に出ることができた
たった、2泊3日の外泊!楽しみたい!!

家についた。やっぱり嬉しい。とりあえず帰ってからすぐマスクを取り、いつも病院でしてた手洗いうがいを念入りにした。とにかく清潔に。
次にしたこと!!それは、川本真琴のビデオレターをみること!
早速みてみた  川本真琴だぁぁ。
しかも、私の名前を言ってくれてる。メッセージの後、ピアノを弾き始めた。
星に願いを…
ピアノを弾きながら英語で歌っていた。
泣いた。ここまでしてくれたんだ!
何度も繰り返してみた
本当にありがとう

次に楽しみにしてたのが、家で姉妹、母とゴロゴロしながら話をすること。
それだけで幸せ。
普段、病気をする前、こんなことをしたことあるだろうか…。
家族と楽しく会話すること、こんなことが幸せだなんて今まで考えたことがなかった!
高校のときは、学校帰りにバイトに行って家に帰るのが22時すぎ…。
バイトがない日でも、友達や彼氏と遊んで帰りが遅くなり、家族と接する時間などなかった。
あるとしても、遊んでかえってくるのが遅いと怒られ、私も逆切れして反抗したり…。そんなのがほとんどだったような気がする。
家族みんなで会話すること、何年ぶりだろう…。

その日の晩御飯は私が食べたいとリクエストした「すき焼き」だった!!  
美味しい!!嬉しい!!楽しい!!
こんなに今は元気なのにね??
このころには、もぅ薬の副作用で髪は全部抜けていた。
可愛いバンダナを頭にまいて…。鎖骨の下にもIVH(点滴の管)をつけたまま。

幸せなまま、時間がとまってしまえばいいのに…

私はいつもより、みんなに甘えた。
いつもはできない少しだけの夜更かし。今日はみんなそばにいる。
いつも病院のベッドの中。一人切なく辛い夜…
でも今日はみんなと一緒!!
おやすみなさい☆彡 安心して。眠りについた☆彡

次の日、朝目覚めると、うちにいることが嬉しくて目覚めがとても良かった
採血もなく、イヤな目覚め方もしなく、気持ちのいい朝をむかえた。

今日はどこかにドライブに行こう!!!
3姉妹とお母さん4人でドライブをした。
外出るときは、かならずマスク。そしてバンダナの上に帽子をふかくかぶり外にでる。

ドライブに買い物。ご飯食べて、笑顔で写真とって。
本当に楽しい。嬉しい。幸せ。
家に帰ってからもビデオ借りてのんびり過ごした。

楽しい時間はあっという間にすぎ・・・

2泊3日という自由な空間・・・

心から幸せだなぁっておもった一時・・・

今日からまた、治療のはじまり、病院に戻ったら3回目の治療。

そのころは個室ではなく、大部屋にうつっていた。
あれ??Mちゃんいないね??どこいったんだろう…

私:
「お母さん、Mちゃんは??病棟うつったのかな??」

母:
「・・・たぶんねぇぇ、病室うつったんだね」

私:
「早く元気になればいいね」

病院ひろいし、いっぱい患者さんいるから、もう一つの内科にうつったんだ、きっと。

病院に戻り、すぐ治療にはいった!
次の治療は地固め療法
青い点滴と24時間つけっぱなしの点滴。
前の治療にくらべ、少し吐き気が強いらしい。

治療2日目、朝おきてみると、吐き気があった。
吐き気止めの点滴をしても、朝の食欲がない。
午後になってから、やっと少し吐き気がおさまったので、おにぎりとリンゴを食べた。
夜には、また吐き気がでて夕飯をたべれなかった。

そして、また朝…
そんな繰り返しだった。

すこしでも、好きなものを食べたい。
いきなり食べたいものが浮かんでくる。
ソーメン食べたい。
好きなもの、食べたいもの食べて、元気だそう。

治療して1週間、24時間の点滴が終わった。

治療中もみんながお見舞いにきてくれる。
友達みんな、私に手紙を書いてもってきてくれる。
日常の何気ない話や、友達のことを教えてくれる。
みんなと約束した。
元気になったら、ドライブいこう!!飲み会もしよう!カラオケにも行こうねって!!
友達って素敵だ。
今でも友達からの手紙は大事にもっている。大切な宝物だから。

今回の治療は、前の治療にくらべ、血液が回復するのが早いと先生にいわれていた。

入院中の私の生活

具合のいいときは、姉達と話をする。
しりとりしたり、私の足マッサージ(笑)おもしろおかしく、話をしたり。
本も読んだり、音楽聴いたり、パズルやったり、
具合悪いときは、ずっと寝ていた。

今回の治療が終わり、血液が上がってきたから、外泊許可がでた。

治療経過がよい。順調にすすんでいる。
入院して約3ヶ月・・・
4回目の治療。今回も治療は、赤い点滴、オレンジの点滴が30分ずつ。それを3日間
そして抗がん剤、大きい点滴1時間、5時間を7日間。また長い治療がはじまる。

個室の窓に、鳩が飛んできてこっちを向いて休んでた。
お見舞いにきてくれた。それがまた可愛かった。
自由だね

7日間がすぎ、いつものように血液が下がり始めてきた。
血液が低下すると、体の抵抗力がなくなる。抵抗力がなくなると、ウイルス感染しやすくなり、風邪がひきやすくなってしまう。
ウイルス感染しないように、血液が下がると空気がきれいなところに移動する。
治療中…私は突然外の空気をすいたくなり、ちょっとだけ部屋をでて外の空気を吸ってしまった。ちょっとくらい…大丈夫だろう。

4回目の治療で、初めて長く続く高熱が出てしまった。
寒い、だるい。頭が痛い。
いつもは、すぐ下がる熱も今回ばかりは、なかなかさがってくれなかった。
抗生物質、座薬をしたら、やっと38℃まで下がる。
2日間熱が続いた。
(後々、あの時、外の空気を吸ったから…それが原因で熱が続いたのだろうかと…)

でも2日後深夜になり、やっと熱が下がった。
先生もよくたえたね!といってくれた。
みんなにも心配かけた。
私は大丈夫だよ!!

4回目の治療が無事おわり、そしてここの病院での最後の治療にすすんだ。治療最中に、移植の話がでてきた。
でも私は、経過がいいので、移植をしなくてもいいと勘違いをしていた。
もう元気になったから、もうすぐ入院生活が終わるとおもっていたから。

移植をしなきゃならないと聞いてふかいため息がでた。
もう退院できると思っていたのと、移植がどんなものなのかという不安…
今の治療より、はるかに辛いらしい

私の不安・・・

移植ってなにするんだろう…

この治療だけじゃ、完全に治らないってこと??

治療はどのくらいつらいの?

あとどのくらい入院してればいいの??

いつになったら、元気になれるの??

こんなこと考えて、不安になり、夜ねむれなかった。

移植にむけて、大きな病院と連絡をとりあう。
ここの病院には、骨髄移植をする設備がなく、移植するには、大きな病院にいかなければならない。

移植について、わからないことだらけ。
私より、何ヶ月も前から入院してた1つ年下のM君も私と同じ白血病、私より先に移植をする話がでていた。
M君の母と私の母はお互い励ましあっていた
M君の母が移植について色々教えてくれた。
そして、移植の事に関する資料を全部、私のお母さんに渡して、M君の母はこういった

M君の母:
「これ全部もっていってもいいよ」

私の母:
「でも必要でしょ??」

M君の母:
「うちは、必要なくなったから…」

そして、泣きはじめた。

私は、近くでこの会話を聞いて、思った事...

必要ない??もしかして・・・

最近ずっと、M君の治療が進まないでいる。
薬があわないから・・・

もしかして・・・

私の頭に嫌なことがよぎった。

助からないの?M君が??

私と同じ病名だよね・・・

移植できないって・・・
同じ血液の型もみつからない。

そこで、私は気づきました。
Mちゃんの事・・・

病室移るわけがない!  亡くなったんだ…

突然、涙が出てきた。怖くて、悔しくて仕方がなかった。
なんで??白血病って今は難病ではないんでしょ??
なのにどうして・・・???

これから、移植がひかえてる私は、複雑な気持ちでいっぱいでした。

私はとても不安から、自分のベッドに戻った。

移植かぁ。

この不安は先生から移植の説明を聞いたときからもありました。
移植の説明を先生から聞いた時に、私は先生に質問をしました。

私:
「移植すれば完全になおるんですよね???」

先生:
「ええとね、完全では、ないんですよ!!成功率は80%ですよ。  医療に100%はないです」

それを、聞いてまた落ち込み、さらにM君の事を聞き落ち込み、不安・恐怖。
その夜、一人で寝るのは不安で、母に甘え、泊まってもらう事にした。
母も不安がってる私に気づいていました。

母:
「大丈夫だからね!!ゆみ一人じゃないよ」

ありがとう、お母さん。

少し安心して、その日は眠りにつきました。

治療して、そろそろ血液がさがってきたので、空気がきれいな個室にうつった。
個室だと周りに気をつかわなくてすむ。テレビだって消灯時間すぎてもみれるから、なにかと便利w
でも一人の夜はこわい…
トイレ行くのに必死なのだ…

いつものように、体の調子がいいときは、母と話をしたり、あそんでいた!!
父も、姉達もきてくれていた。
次の日、血小板の輸血!!2回もさされた。

今日は母にささやかなプレゼントw
お母さんは、とても温泉スキw
だからゆっくり、やすんできてほしいため、少しばかりのお金をつつんで、お母さんにあげた。

「大丈夫だから、たまには温泉いっといでぇ」

お母さんはよろこんでくれた。とてもうれしかった
次の日、母はリフレッシュしてきたようだ
よかった
そして、面会時間終了までいてくれて、いつものように、おやすみと言って帰った。

この日の夜、9月25日
夜、とてもショックな出来事がおこった。
なんだか、近くの病室にお見舞い時間が過ぎても、家族達が集まっていた。

なんだ??急に私は動悸がした。まさか…

そこは、M君の部屋だった。
まさか、そんなことないよね???

そろそろ消灯時間…院内が暗くなった。
私は一人個室でずっとドキドキしていた。
1時間後…。家族達が帰ったのが、個室の曇りガラスからみえた。

号泣した。涙が止まらない。

なんで??悔しいよ・・・
同じ白血病なのに… 

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