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□羨望の眼差し
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-羨望の眼差し-吾妻佑-



今日の体育は俺の得意なサッカー

授業終了のチャイムが鳴ったけど次は昼休みだし残ってる奴らとそのまま延長

俺の右足から放たれたボールが綺麗な弧を描きゴールに吸い込まれる
そのときのスパッという音がたまんない

「ゆーう!すごーい!」

そう言って手を振ってくれるのは俺の大好きなあの子
小さい体で一生懸命ブンブンと手を振るその姿はとても可愛い

「おう!」

それに応えるように手を振り返すとあの子は少しビクッとして駆け寄る足を止めた


…ん?


後ろを振り返ると他の奴らも嬉しそうに手を振っている
自分に手を振ってくれていると勘違いしているらしい

「かっわいい♪」
「今の俺にだろ?!」
「間違いなく俺だ!」
「俺と目が合ったね!」


ハハ!俺にだもんね〜♪


頬が緩んだまま前に向きなおすとその子はもう俺の前まで来ていて首を傾げて俺を見上げる

「ぅわっ!!///」

「?

佑、お昼食べよ?これ買ってきた!」

にこっと笑い、買ってきた袋の中身を見せてくれる
俺の大好物の限定ヤキソバパン

「チャイム鳴って急いで買いに行ってきたの」

「マジ?!サンキュー!」

そんな光景を見ていたあいつらの視線がチクリ…

「なんだよ、吾妻かぁ…」
「この上げた手どうすりゃいいんだ…?」
「いつも寮生ばっか!」
「俺も一緒に食いたい!!」


彼女の手を取り、行こうぜ!と歩き始めた
途中で思い出したかのように振り返ると

「お前らわりぃー!
これからこいつと昼飯食うから俺はお先だ!」

ニカッと笑う


ヤバッ…気分良すぎる!!


「佑?汗が…」

「ん?」

ポケットからタオルを取り出した

「届かないから少しかがんで?」

その言葉に素直に腰をかがめて彼女に顔を近付ける



ぎゃーー!!


外野がやめろーとか離れろーとか叫んでいたけどそんなの聞こえない振り

彼女はかがんだ俺に、ありがと!とにっこり


か、可愛い///


「はい、拭けたよ!」

「おう!ありがとな!」



……



あぁ〜最高に幸せっっ!!




*end*

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