BOOK2

□不条理論的論理
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放課後の図書室…。
実はもう下校時間とっくに過ぎてるから誰もいないんだよね…。補習でこんな時間になっちゃったけど、どうしても返さなきゃいけない本があって嫌だけど薄暗い図書室に入った。
電気つけると先生にバレそうだからなぁ…
幸い僅かな夕日の明かりがあるけど…明るい所だけ赤く光ってて何か不気味…。

「早く帰ろ。」

借りた場所に本を戻すため、もとの棚を探す。
だけど、最近図書室の本を配置換えしたらしくなかなか見つからない。
今日はつくづくついてないなぁ。

「うーん…。どこだろ」

違う棚に入れても良いんだけど…ウチの図書委員うるさいからなぁ。
そうダラダラしている内に日はどんどん暮れて行く。
ちょっと不安感が出て来た時だ。

「…こんな所にいたの?」

急に後ろから話しかけられて凄くビックリした。

「ジン?どうしたの」

「借りてた本を返しに来ただけだけど……昼休みだと人が騒がしくてね。」

成る程ね。と相槌を打っておいて棚を探す。
早く帰りたい!!!!
ジンと二人っきり何て気まず過ぎるよ!!
内心焦りながら探していると、ジンが話しかけて来た。

「僕もその本読んだよ。」


「へぇ!ジンもこう言うの読むんだ!」

ちょっと嬉しくなって振り返る。…瞬間、ジンと目が合った。見た事のないジンの笑顔。
どきり、と胸が跳ね上がった。

「この本の棚はこっち」

スッと俺の手から本を奪ったジンは、本を隣の棚に戻した。
何だこの隣の棚だったんだ

「ありがとう…助かったよ」

「別に…」

こんなにジンと喋ったの初めてだなぁ…いつも無口であんまり喋らないし。
意外と優しい奴なのかも、

「ねぇ…、バン君は」

ジンがゆっくり口を動かす。
“青島カズヤとどう言う関係なの…?”
と、いきなりの質問に動揺してしまう。
何でそんな事聞くんだろう。

「カズとは…友達だよ?」

そう答えるとジンはふうん。とバカにする様に言った。

「君の言う友達ってキスする仲なの…?」

!!!!
その一言でハッとして急に冷や汗が出た。ニヤリ、と嫌な位に笑うジン。もしかして帰りの奴…見られてた?うわぁどうしよう。あの豆腐メンタルカズの事だから絶対しょげるか何かするよ。
え…あの、と言葉が詰まっている間にジンは勝手に話し出す。

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