BOOK2
□蒼曲線
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オルフェウスとリトルギガントの試合の後。
フィディオに一人にしてくれないか?と言われたけどやっぱり心配になってイタリア宿舎に行く事にした。
宿舎に行くと少し元気がないマルコとジャンルカとブラージが出迎えをしてくれた。
「急に悪いな…」
「フィディオなら2階の自分の部屋にいるよ。」
聞く前にマルコが教えてくれた。やっぱり相当悔しかったんだろう。会話が上の空だ
「失礼します」
ジャンルカに連れられて2階へ。フィディオの部屋の前で止まるとジャンルカは1階へ戻ってしまった。
しん…と静まる廊下。
フィディオの部屋からは物音すら聴こえない。
コンコンッと静かにノックした。
「俺だけど、入ってもいいか?」
少し間が空いた後に、どうぞと返事が聴こえた。
カチャリとドアを開けるとフィディオがベッドに座ってた。
「ごめん、一人にしてくれって言われたけどやっぱり心配で来た」
「大丈夫。隣、座って」
にこり、と心配がいらない位いつもの元気なフィディオだった。
じっと深いサファイアブルーの瞳で見つめられる。
何か恥ずかしい、
「よかった、元気ないかと思った」
そう言いながら指定されたフィディオの隣に座った。
フワッとベッドが跳ねてフィディオの匂いがふわりと鼻を通る。良い匂い。
「元気がある訳じゃないけど、いつまでも落ち込んでいられないだろ?」
「フィディオらしいな」
良く見れば床にはサッカー戦術の本ばかり散らかっていて、フィディオが更にチームの向上を考えている事がわかった。
「リトルギガント、気をつけた方が良いよ。凄く強い」
「オルフェウスが負ける何て、どんなチーム何だ?」
「それは自分達で見て確かめた方が早いよ。口じゃあ説明出来ないからね」
フィディオは、はぁーと大きくため息をついて言った。
「マモルと決勝戦でもう一度戦いたかったなぁ。約束一つ守れない何て…俺って本当にダメな男だな、」
「……………」
フィディオが泣きそうに言うから、俺は何も言ってやれなかった。だって決勝戦でもう一度一緒に戦おうって約束したのに、フィディオに何て励ましをしたら良いのかわからない。