BOOK2

□流星は今にも手に届きそうだけど
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俺は成人した。成人式でイナズマジャパンの皆に再会。自分がこんなに成長したのが不思議で仕方ない位で。
けど、何だろう。何か忘れている様な気がする。
皆に会えて嬉しいのに、

何だろうこの気持ちは、
胸にひっかかるような………

「じゃあなー」

「あぁ、またな」

「またね。円堂くん」


成人式の帰り道だ。
少しお酒も入ってて、ほんのり酔ってた。
お酒何て飲んだの初めてで、せっかく成人したんだからと皆で挑戦。俺は明日もサッカーがあるから少しだけ。

通り掛かった河川敷。
懐かしいな、と思い河川敷の方に休憩がてら寄ることにした。

芝生に寝転がって空を見る。


あぁ、思い出した。

あの時と同じ夜空だ。


流星、

まだ中学生だった俺が見た流星と同じだ。

“成人した日に必ず会いに行くよ”

忘れられる訳ない。
あんなに好きだったんだ。
大好きな奴との約束を忘れる訳がない。
あの時はまだ子供だったから、イタリア何て遠い所に行く事何て出来なかった。

あの約束を彼は覚えているだろうか?
丁度今日が“成人した日”だけれども。

まぁ6年も経っていれば忘れてるよなぁ。


「すんげー好きだったぜっ!!」

立ち上がり流星に向かって大声で叫ぶ。
どうしようもない気持ちをどうしたら良いか分からなかったから。悔しくて叫ぶ。その時だ




「俺は今も好きだよ。マモル」

突然だった。後からアイツの声がしたんだ。最初は信じられなくて、でも自分がアイツの声を間違える訳なくて。嬉しくて、肩が震えた。
ぐっと出かかる涙を堪えて振り返る。

「久しぶり、6年振りだね。」

あの時と変わらずの、フィディオだった。

胸が何とも言えない様に締め付けられて。
知らずに堪えてた涙が溢れた。

「待たせ過ぎだ!!」

「ごめん。マモルが何処にいるか分からなくてずっと探してたんだ」


あぁ、お前って奴は。


「ありがとう。」



まるで流星の様で





*fin*



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