BOOK2

□駆落と恋の
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「じゃあ、またな」

夕方の頃だった。
二人の影が橋の下の水面に反射してて、オレンジ色に輝いてる。幻想的で美しい。

「待って、」

ぐいっとマモルのユニフォームを掴んで自分の方へ引き戻す。
そしてそのまま自分の腕の中まで引き入れた。

ギュウッと強く抱きしめる。


「君がいないなんて淋しいよ……。もう少しこうしていたい、いいや…ずっとこうしていたいな」

そう言えば、マモルは「俺も…」と呟いて俯いた。

どうしてこんなに胸が張り裂けそうになるんだろう。
FFIが終わったらマモルも俺も母国に帰らなきゃいけないってわかってたじゃないか。
じゃあ何でマモルを好きになったんだろう。

「何で君を好きになっちゃったんだろうね。」

そう言葉を零したら、マモルが泣きそうに目を潤めた。

俺だって泣きたい。
もし願いが叶うなら、君と僕だけの世界へ君と僕だけで逃げ出したい。


「もっと…、ずっと一緒にいたい。」

そんなのは叶う訳なくて…
そんな時だった


「2人で家出しようか」

「ちょっ…待っ」

俺は強くマモルの手を引いた。走って、走ってとにかくライオコット島から離れよう。
だって、もっと君といたい。

「最後に7日間だけ、二人で出掛けよう。」


最後に二人だけで過ごしたかったから。


億千の星の下、マモルと一緒に船に乗り込んだ。



・fin・


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