BOOK2

□愛形状
1ページ/2ページ




「Hello!How are you?!!マモルッ」

この声は、ディランか。
ぎゅうっと後ろからディランに抱きしめられる。
クーラーが効き過ぎで寒いせいか、ディランの腕の中は暖かくて気持ち良い。

「どうしたディラン。何か用か?」

後ろを向かずそう問えばディランは俺を更に抱きしめて言う。

「Why…?理由が無いとマモルに会いに来ちゃダメなのかい?」

そんな事を言って後ろから頬を擦り寄せてくる。
別にダメじゃないよ。と返事をしてディランの方を向く。
その瞬間、カタンッと音をたててジュースの入ったコップが零れた。

「あ……。」

案の定、ディランの方を向いた時に指が当たってしまったのだ。

「Oh!No……Are you all right?マモル、大丈夫かい?」

ディランがポケットからマラカイトグリーンのハンカチを出して俺の服を拭いた。

「ごめん。ディラン。」

キュッとディランのシャツの裾を引っ張った。
するといきなりディランは変な風に笑って、俺を抱き上げた。

「うわっ…どうしたんだよディラン」

所謂、お姫様抱っこ。

ここはアメリカの宿泊施設でディランの部屋だから誰もいないんだけど、恥ずかしいものは恥ずかしい。

「…ミーとお風呂に入ろう!」

「風呂???」

お風呂ですと?
そう言えばアメリカ人ってお風呂に入る時はアヒルがないとダメってホントなのだろうか。
そんな事を考えている内にせっせと俺を運ぶディラン。

「ディラン、俺1人で…」

「NO!!!ダメだよマモル」

ディランはニィっと笑いながら俺のジャージに手をかけた。





次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ