頂き物


□甘いあまい
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※コピーした物なので改行が山田様のサイトと異なります。




「欲しいなあ」

「アイス?」

「いや、マモルが」

「なるほど…って何言ってんだフィディオ!」

顔を赤くして慌てるマモルを見て俺は
にこりと優しく笑ってみせた。
アイスも欲しいけどねだなんて言って
何も付いていない頬にキスするなんて
自分も随分彼に対して大胆になったものだ。
ああ、元からか。
訳の分からないような顔をして
見つめるマモルを見てまた自然に笑みが零れる。
マモルのほうが甘くて
美味しそうだなって思ったんだよ、
あ、クッション投げないで。

「俺は甘くも美味しくもない!」
「まあ触感はマシュマロだけどね」

「…!
フィディオなんかもう知らないからな!」

ふんだとマモルはアイスを食べ終えて
近くにあったもう一つのクッションを多分だが、
いざという時の武器に取ろうと手を伸ばした時に
俺が奪い取ってやった。
返せよというように睨んでくるけれど、
それすらも可愛く思えてしまうよ、逆効果だね。
取り返そうと近付いてきたマモルの腰に
手を回して抱き寄せてみた。
最初は離せよだとか言っていたけれど諦めたのか大人しくなる。
顔の近くにある首筋に吸い付くと身体がびくりと
反応して可愛いなあと思うのは
やっぱり俺が変態だからだろうか。

「ちょ、フィディオ…」

「うん、甘い」

やっぱり君ってば
甘くて美味しいよマモル。
噛んだら出てきた血も
甘く感じるだなんて、
お互い甘い物の
食べすぎかな。
それとも俺の頭がおかしいのかな。
何にせよ、それなら頭がおかしくても
俺は幸せな事だと思うよ。


甘いの、好きだからね


(…欲しいなあ)
(痛い…だから、何が…)
(今すぐマモルが)
(…………)
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