BOOK1
□彼なら良かった
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「大丈夫か?円堂…。」
豪炎寺は付きっきりで俺の傍にいてくれた。
嬉しかった。
いつの間にか背中にまわされていた豪炎寺の手。
その何分位か経った後だ、
豪炎寺の真っ直ぐな目が
俺の目の前にあって
俺の冷めきった唇に
豪炎寺の唇が重なった。
「…好きだ、円堂」
「うん…。」
ああ、今。
豪炎寺と鬼道が重なって見えてしまった。
だから、
俺は馬鹿な事を考えてしまった
「なぁ…、もっとしてくれよ。豪炎寺。」
だけど、どんなに似ていても
鬼道の代わりにはならなかった
[End]