BOOK1

□彼なら良かった
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あれから
何日が過ぎただろうか。
学校も部活も行ってない。
何曜日かもわからない。

大好きなサッカーも
したくない。

友達にも会いたくない。

ただ、一人でいたかった。


死にたいと思った。
だけど、死ぬなんて度胸が自分にある訳無くて。
目の前のカッターナイフが恋しくなる事はなかった。

「……………」
ため息も出ない。
外の日差しが眩しくて、
閉めきったまま。

ただぼんやり部屋の天井を見上げてるだけ。

頭に鬼道有人の名前が浮かび上がると涙が出てきた。


〜♪
その時、携帯の着信音が鳴り響く。
多分豪炎寺だろう。
さっきから掛けて来ていたのは知っていた。
でも
出たく無くて無視していた。

「……………」

だけど、流石に…。
こんな自分を心配して掛けて来ているんだ。


ピッと通話ボタンを押した。

「……もしもし」

久し振りに声を出したと思うその声は、凄く小さかった。

「練習…来ないのか?皆心配してるぞ。」

豪炎寺の優しい声。

「…ごめん。」




「これから、会わないか?円堂」






その言葉に甘えてしまった。

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