訓練部屋。
□小さな太陽。
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「…一人に、すんなよ…コノヤロー…。」
安心してええよ。
子分置いてく親分がどこにおるん?
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酷く重い瞼を上げれば、視界一杯に泣きじゃくる子供の顔が映った。
―なんやロマ、なに泣いとんの?
反射的にその泣き顔へ声を掛けようとするが、しかしそれは叶わずに終わる。
上手く、声が出せない。
その間にも、目の前にある大きな瞳からは、ぽろぽろと雫がこぼれ落ちていく。
誰よりも、何よりも愛しい子供。
その泣き顔に、胸が締め付けられるように痛んだ。
他国に虐められた時。
宗主国である自分の帰りが遅い時。
思い通りにいかず、悔しがる時だって。
この子の泣き顔は、もう何度も見たことがあるけれど。
こんなにも悲しげに、切なげに。
悲痛な表情で泣いた事があっただろうか。
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